【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第5章 「ボクの頼み」
セリシアside
試合会場となるところは、普段剣技の練習をする一角だ。
十分な広さだ。
「セリシアさん、お気をつけてくださいね。」
心配そうな顔をしてくれるジャーファルさん。
ああ、なんかこの顔見てると、絶対勝たないとって思えてくる。
まあ、実際勝たなきゃなんだけど。
「もちろんです。」
さて、試合場に入りますか。
「セリシア、これが試合で使う剣だ。あやまって刺殺されたりしないために、ゴム製になっている。固めだから痛みはあるが、安心していいぞ。」
「はい。」
その辺の配慮はしてくれてるのね。
助かる。
「よろしくお願いします。」
「お願いします。」
相手との握手をしておく。
相手は男の人。
身長は私がだいぶ見上げないといけないから、大きめ。
シンドバッドさんと同じくらい・・・かな?
見た感じは筋肉質かな。
「この試合では、専用の剣で相手を刺せばよい。もしかしたら途中で止めるかもしれないが、それまでは存分に戦え。」
ふー。
一息はいておく。
ああ、緊張してきた。
絶対勝つ。
「はじめ!!」