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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第16章 能力を知りました。


ジャーファルside


お昼の時間になった。
結構区切りが良かったようで、セリシアさんは終わって立ち上がる。
だけど、私はもう少しなので、先に言ってるように促す。
が・・・。

「待ってるよ。先に行くのはなんか悪いし。」

そう言ってセリシアさんは待ってくれている。
たとえそれがただの優しさであっても、嬉しい。
同じ職場とはいえ、一緒の部屋にいてたまに言葉を交わす程度でしかない。
それも、午前中だけ。
だけど、そんな限られた時間を一緒にいられるのが嬉しいのだ。
言葉なんていらない。
ただ、一緒にいて、時々姿を見れると嬉しいのだ。

「ふー・・・。」

もう少し。
あと少しで終わる。
それにしても、今日はなんか変だ…。
何か、と言うか、頭痛と小さな吐き気。
風邪でも引いたかな、とも思うが、だからなんだ。
仕事をやらなければならないのだ。
風邪ひいて休む時間などない!
悟られないようにしないと。
しかしまあ・・・。
できるだけ早く終わらせて、待たせるのをやめようと思う気持ち。
だが反対に、まだ二人だけでいたいとも思う。
他の文官はこの部屋には既にいないし、もともとここには多くなかったし。
あー、この微妙な気持ち、何とかしたいんですけどね、本当は。
好きと言うことに気付いてくれたらいいのに。
だけど、それを気づかれて拒否されるのも嫌だし・・・。
・・・。

「はー・・・。」

ああ、終わった。
さて、ご飯を食べに行きますか・・・。
そして立ち上がった瞬間だった。
今日一番の頭痛と共に、立ちくらみか、めの前が一瞬真っ暗になった。
立っていられなくなり、そのまま地面に落ちる・・・。
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