【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第15章 休息。
セリシアside
「あー、もう、ほんとヤダ!」
宮殿を出て誰もいないところで叫ぶ。
利用されるのがいやってわけじゃない。
・・・いや、本当は利用されたくないけど。
そうじゃなくて。
「何やってんの、私!!!!」
なんで抱きついてんの!
普通抱きつかないでしょうが!!
だって、冷静に考えてみなよ!
好きな人に、思いっきり抱きついて、しかも泣いて!!!
「もうやだ…。」
恥ずかしすぎるんだよ、ほんと。
「なにやってんだか・・・。」
軽く落ちこむよ・・・。
「ってか、利用するなら、本心見せろっての・・・。何も知らないのに本心見ないでやってられっかっての!」
あー、ホント何やってんだろ。
ジャーファルさんに会いにくいし、シンドバッドさんに会いにくいし。
部屋に戻るにしても、誰かには会いたくないんだよな・・・。
「何やってんだ、こんなところで。」
うわ、早速会ったよ。
「ああ、デアル。今日一日何してたの?客人のくせに出歩きやがって。」
「いいだろう、何しても。まあ、この国がどんなとこか周ってただけ。」
のんきでいいなあ・・・。
「ほら、帰るぞ。」
「・・・うん。」
なんか、久しぶりに会った気がするけど、まあいいか。
なんとなく、帰る気になったから。