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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第15章 休息。


ジャーファルside


どういうことだ?
渡し忘れたものに気が付いてセリシアさんの部屋に向かった。
そして部屋のドアを開けると、なぜか彼女は地面に座り込んで泣いていた。
そしてなにより気になったのは、彼女が言った言葉。

「私がここにいることを許されてる理由。」

それを言われた時はただ困惑したが、彼女が部屋から去った今、はっと気づくことになった。
気づくのが遅かった。

「鈍いなんて思わないで、か・・・。」

そんなに鈍いと思っていたわけじゃない。
だけど、多分・・・。
彼女は気づいたのだ、鋭く、シンの考えを。
おそらく、シンの部屋に言ったのだろう。
何を言われたかは、想像できないわけじゃない。
でも、いったいどうやって気づいたのだろう?
そんなに、鋭かったのか・・・。

「・・・すいません、セリシアさん・・・。」

なぜか、今まで利用されることになった人たちを思うときよりも胸が痛む。
きっと、好きな人が利用されるのがいくらかつらいのだろう。
・・・でも。

「鋭いってことは、気づかれてるのかな??」

好きっていうことも気づかれてるのだろうか?
・・・。
恥ずかしすぎる・・・。
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