【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第15章 休息。
セリシアside
「ああ・・・。ありがとう、少し落ち着いた。」
いくらか落ちついて、離れる。
なんでジャーファルさんはこんなに安心できるんだろ。
「大丈夫ですか?言えないことならいいですけど…。何かあったのでしたら、言ってください。」
「うん・・・。」
優しいジャーファルさん。
言ってしまおうか。
すっきりするってことはよくあるし・・・。
でも、多分・・・。
「ジャーファルさんは、知ってると思う。」
「え?」
「私がここにいることを許されてる理由を。」
「どういう・・・??」
「私が泣いてたのは、怖かったからだよ。」
知らないとは言わせない。
今は気づいてないだけ。
気づけば、絶対に知ってる。
「予備の服、ありがとうございます。ちょっと散歩に行ってきますね。・・・そうだ。」
一呼吸おいて答える。
「私、それなりに鋭いからね?鈍いなんて思わないで。」
そう言って部屋を出る。
彼が気付かないはずがない。
シンドバッドさんの右腕と言える人だもの。