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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第15章 休息。


セリシアside


変な違和感の正体。
それは、シンドバッドさんの笑顔だった。
彼は、笑ってなかった。
笑ってないっていうか…。
不敵な笑みを浮かべてる感じで。

「あー、なんか知りたくなかったかも。」

ずっとここにいては何も始まらない。
とりあえず部屋に戻ろうと思って、歩き出す。
一応帯も持ってるけど、これは多分つけないだろうな。

「利用、ってとこだな・・・。」

私はあの感じの顔を知っている。
以前旅した時に見たことがあるもん。
間違いない、なんて言えはしない。
だけど、多分・・・。
あの人は、私を利用する気だ。
なんとなく、本当に薄く感じてただけだった変な気が、今明らかに、大きく知った。
あの人は力を得すぎてるんだ。
普通の人とは思えない。
奇跡の塊だよ、あの人・・・。
ああ、こんな感じは初めてだよ。

「怖い…。」

いつの間にか自分の部屋の前にいた。
中に入って、ついベッドのそばにしゃがんでベッドに上半身だけ滑らせる。

「なにこれ。怖すぎだって・・・。馬鹿みたい。何におびえてんの?なんでこんなに・・・こわいの??」

自分で問う。
だけど、もちろん答えは返ってこない。
答えが見つからない。
震えが止まらない。
涙が、止まんない・・・。
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