【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第5章 「ボクの頼み」
ジャーファルside
話が終わったらしい。
本当はシンが無事かそばで話を聞いていようと思った。
だが、すぐに見つかったのだ。
これ以上は無理と判断して、シンの帰りを待つことにした。
そしてシンは帰ってきた。
「うーん・・・。」
「セリシアさんはあきらめてもらえたのですか??」
「いや、それが一歩も引かなくて。」
「いや、引かなくて・・・じゃないですよ!?」
この人はなにをしてるんだ。
引かせろよ。
有無を言わせない態度でいけばいいものを。
「全く…。」
「・・・お、おい、ジャ、ジャーファル??」
「・・・どうしました?」
「あ、いや。なんでもない・・・。」
変なシンだ。
顔をじろじろと見て。
「何か??」
「いや、いいんだ。」
よくわからないシンだな・・・。
「しかし、これからどうするつもりですか??」
「とりあえず、明日セリシアを試合させようと思う。」
「え、試合ですか?」
「ああ。もちろん、偽物の剣を使って。相手は、まあ、シャルルカンにでも決めてもらおう。…腕がない人物を食客にするほど俺は馬鹿じゃないからな。」
剣技がどれくらいかをわからせる気ですか。
どう見ても細いあの体で、何ができるのか。
シャルルカンに中ぐらいの相手を選ばせてやるつもりですね。
「ふう・・・。」
明日の分の仕事は少しやっておいた方がよさそうだ。