【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第14章 ついに暴露。
セリシアside (再現中)
何かを唱えた声の持ち主はデアルだった。
シロナは始め、デアルの方を見ただけだった。
そして何かに気付いたようで、慌て始めた。
『貴様・・・!!』
なおもデアルは唱えるのをやめない。
目をつぶって、祈るようにとなえている。
「ノラカチ・ヲギョイセ・ムトモ」
何を唱えてるかなんて、一切わからない。
どういう意味を持つかもわからない。
だけど、シロナは苦しみ始めた。
「ハンゾイセ・スルユ・ヲラカチ・セカ・・・!!」
言い切ったのか、最後の語尾を力強く唱えた。
そして、シロナはデアルに引き込まれるようにして消えた・・・。
「・・・ふう・・・。できた・・・ぁ・・・。」
気力を使い切ったかのようにその場に座り込むデアル。
そしてまわりの人がデアルをいたわる。
「・・・シロナは、どうしたの・・・?今の、何を唱えてたの…?」
「シロナって妖精の名?妖精は、俺に憑りつかせた。さっき唱えてたのは、呪術の一つ。呪文だよ、つまり。憑りつかせるためのね。」
いまいち理解できないわたしだった。
けど、急にそばが光りだしてそっちを見た。
『・・・まさか10にもならない子どもに憑りつかされるとは思っていなかった。』
シロナだった。
周りの者もびっくりしたが、誰も動けなかった。
「・・・ええと、妖精さん。」
『シロナと呼べ。セリシアがつけてくれたのだ。どうやら、貴様らとは長く付き合うことになりそうだからな。』