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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第5章 「ボクの頼み」


セリシアside


なぜ。

「ここにいる者のことは知っているか??」

「いいえ。」

だって、シンドバットさんとジャーファルさん以外は知らない人だ。

「この者たちは、国の食客であり、八人将だ。」

この者たちが。
八人将のうわさは聞いている。

「そうだな…。セリシア、君は何が得意だ??剣技か?魔法か?素手か?もっとほかのことか?」

ボクの得意なもの?

「・・・剣技です。」

「そうか・・・。シャルルカン、すまないが背中を見せてやってくれるか?」

シャルルカンと言われた彼は、おやすいごようさ、とばかりに服を脱ぐ。

「・・・え・・・。」

その背中には、傷痕がたくさん残っていた。
それも大きくて生々しい傷痕。

「・・・ありがとう。」

そう言うと、服を着た。

「食客になって、この国のために戦うという君は、こうなりかねない。」

・・・。
何も言えやしない。
今の私にそういう傷はない。
戦ってついた傷痕など、ない。

「それでも君をこの道に引きずることはできない。」

・・・そうかもしれない。
だけど。
そんなのは、困る。

「セリシア、君のことも、まだよくわかっていない。それでも、簡単に言える話ではない。」

「・・・そうですか。」

そりゃ、そうだよね。
でも、なら。
よくわかっていないなら。

「あの、シンドバット王。お話しさせていただけませんか。」

「?しているじゃないか。」

「あ、いえ。私のことをすべて教えようと、おもっているのです。それも、あなたとふたりだけで。」

ざわつく。
そりゃそうだろう。
得体のしらん女と(この人が男と思っているかはしらん)、王を二人にするとは、安全とは思えないから。

「・・・はっきり言って、話す気などなかったものです。でも、食客になるためなら、仕えるあなたにだけは、すべていうべきだと思うからです。」

いうだけ言ってやった。
少しだけ、すっきりした。
これでも、だめか??

「もしも、二人は危ないと思うのでしたら、ご安心ください。ボクは金属器はもっていません。」

これで、安全性が保障されたとは思わないが。

「・・・いいだろう。」

話がわかってくれて助かる。
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