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【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~

第5章 「ボクの頼み」


セリシアside


「ボク、シンドリア王国に来るために、長旅をしてきました。」

王様が真剣な顔になってくれたので、しゃべってやる。
ほんとうは、もう少しちゃんとしたところできいてもらいたかったが。

「途中で食料は尽いてしまいましたが、水で何とかしてきました。」

あの日々はつらかったなあ…。
っと、そうじゃない。

「ここまで来たのは、食客にしてもらうためです。この国の話はかねがね聞いております。こんな国にお仕えしたいとも思いました。初めは、この国で、ここで働けばいいかな?と思いました。でも、いろいろとあって話が変わりました。」

ここまで一気に言って見回す。
ちゃんと聞いてくれてる。
ありがたい。

「私は、この国のために戦う意思をもってここにおります。理由があって、ここで食客となって戦いたいのです。」

ここでならなければ、困るのだ。
いや、正直言うと、この国じゃなくてもいいんだけど、この国は治安がいいらしいし、悪い噂はあんまり聞かないから。
食客も、この国が一番いいと思うし。

「そうか・・・。」

なんとか、きいてもらないだろうか。

「・・・君は、何か理由があるそうだな。」

ああ、そうだ。
理由がある。

「・・・だが、君を食客にすることはできない。」

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