【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第12章 信用問題。
ジャーファルside
「さすがに、暗いな…。」
まだ夜だ。
あと一時間ほどすれば明るくなってくるだろうけど・・・。
まあ、目が慣れればどうでもいいか。
そして最上階に上がる。
音もなく、何の気配もなく静かな空間だ。
唯一言うのであれば、窓をたたく風の音だけだ。
・・・。
誰も起きてないよな。
気配もできるだけ消してるし、音も出してない。
普通にしていれば、気づくことはないだろう。
「ふわぁぁ・・・。」
あくびが出る。
まあ、徹夜一日ぐらいならあくびが出ても本格的な睡魔が来ることはない。
それよりだ。
どのくらいの時間を休憩にしようか…。
30分くらいか??
あまり長く休むと徹夜の意味がないし・・・。
そんなことを思っていると、あの場所にちかづいた・・・が。
すでに、先客がいた。
その人は金色に輝いた長い髪で、その紙は風でなびいている。
その横顔は、美しくてどこか儚く見えた・・・。
まるで女神のような人・・・。
いったいだれ・・・。
・・・え??
「セリシアさん??」
よくみると、その顔は彼女に似ていた・・・。