【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第12章 信用問題。
セリシアside
廊下は結構暗かった。
まあ、まだ太陽も出てるわけじゃない。
さっき見た感じだと、雲も多いようだったし。
「はー、夜でもやっぱあったかいね。むしろ暑いかな?」
独り言をつぶやいてみる。
これから向かうのは、宮殿の中で最も景色がいいところ。
前に宮殿内を案内してくれた時にそう言ってた。
見たことはないわけなんだけどね。
まあ私の部屋から遠いわけでも近いわけでもないし、あんまり景色がどうだいってるときなんてなかったから・・・。
「えーと、この辺…かな??」
普段立ち止まるところじゃないから、なんか変な感じ。
ここは宮殿の最上階の渡り廊下。
国を見渡せるようなところだ。
今はまだ暗いけど、そろそろ明るくなるだろう。
雲も突然切れて、ないところだってあるし。
朝日が昇ったら奇麗だろうな。
そんなことを思いながら、外を眺める。
「んー、風が気持ちいー。」
暖かいこの国は、風がすごく気持ちいい。
髪が風になびいているのは、ちょっと邪魔なところもあるけど・・・。
まあ、風を体感できる、と言うことにしよう。
その時だった。
「セリシアさん・・・??」