【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第12章 信用問題。
ジャーファルside
びっくりした。
いつもよりはすこししか早くなかったのに、セリシアさんの部屋の前を通ったら、セリシアさんんがでてきたのですから。
もうすでに着替えは済ませたのか、毎回似た服を着ている。
そういえば、あの黒いワンピースはあれから一回もきていなかったな・・・。
・・・。
なんであんなことを言ったのだろう。
今思うとただ恥ずかしい・・・。
「はあ・・・。」
おもわず、軽く突き放すような言い方になってしまった気がする。
それでも、2人でいることはできないと思った。
というかいられないと思った。
「何であんな顔するんですか・・・。」
やり場のない思いを口に出してみるが、何も変わりはしない。
どうして、あんな落ち込んだ顔をするのですか?
そう聞きたくなるほどに、強く思った。
悲しみをこらえるかのような落ち込んだ悲しい顔。
あなたにはデアルさんがいるというのに。
これ以上、私を苦しめないでほしい。
得体のしれないこの胸の苦しさはつらいのだから・・・。