【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第12章 信用問題。
ジャーファルside
「あれ・・・。」
ドアが開いていた。
何を言っているのかはわからないが、二人が会話する声が聞こえる。
「!?」
部屋の中をのぞいて、つい息をのんでしまった。
そして、とっさに隠れてしまった。
「・・・まだ日も明るいというのに、そんなことしますか・・・。」
小さく、つぶやいた。
いくら恋人だとしても、ドアをあけっぱなしにしていちゃつきますかね?
ましてや・・・キスなんて・・・。
そういう性格なのでしょうか??
「・・・はぁ・・・。」
ため息をついたところで、何も変わらない。
嫌だな・・・。
そんなことを思ったところで、何かが変わるわけでもないのに。
苦しいですね・・・。
思った以上に胸が苦しい。
この場から、早く逃げてしまいたい。
だけど、セリシアさんを呼ばなくては。
何事もなく、気づいてないようなそぶりをしよう。
「セリシアさん。」
少し遠くに行ってから大きめの声で呼ぶ。
ドアのところに着いてから、次の言葉を言う。
「シンがお呼びです。2人だけで話がしたいそうで。」
上出来。
いつもと何も変わらないだろう。
「あ、わかりました!今行きます!」