【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第12章 信用問題。
ジャーファルside
「セリシアさん、シンがお呼びです。・・・セリシアさん??」
セリシアさんの部屋の前でドアをノックしながら聞く。
しかし、返答はかえってこない。
それどころか、気配もしない。
「開けますよー。」
そういってドアを開けるが・・・。
誰もいない。
部屋に人の姿はない。
「セリシアさん・・・?どこにいったんだろう・・・。」
そんなのは、嘘だ。
だって、本当は心当たりが一つある。
あたっててほしくないと思う心当たり。
でも、きっとそこにいる。
「デアルさんのところかな・・・。」
自分の気持ちがおかしいことには気づいている。
だけど、どうしてこんなに胸が締め付けられるのか、理由はわからない。
「はあ・・・。」
ため息をつきながらも、デアルさんの部屋のところに行く。
もしもそこにいなかったら、剣技上かな?
ヤムライハの部屋には行ってないと思うから、ピスティのところかな??
でも、そんな考えは無意味だった。
気持ちをまぎらわせたかったのだ。
胸が少しでも楽になったら、と思っただけなのだ。