【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第11章 シロナ、デアル、秘密。
ジャーファルside
「最後ですが、これが一番気になった話です。さっき言った、海賊軍が引いた理由でもあります。」
そう・・・。
もしかしたら、シンはセリシアさんから何か聞かされていたのかもしれない。
だけど、私たちは何も知らないのだ…。
「セリシアさんのことです。」
「セリシア??」
「はい。彼女は、その時は普通に剣士として戦っていました。しかし、だんだんと疲れが出たのか、動けなくなってきたようで・・・。一度、軽く転んだのです。」
「普通だな。」
まあ、ここまでは普通だろう。
だが、問題はそのあとなのですね・・・。
「はい。ですが、その時、大剣を構えた大男に剣を振り落されたのです。」
「・・・だが、今もなんともないだろう?よけたんだろ?」
「いえ、違います。」
そんなことなら、ここで話題にはしていない。
「彼女…。瞬間、ボルグを使ったのです。」
「・・・ボルグ??」
ここで、シンの顔つきが変わった。
真剣なものになったのだ。
つまり、シンも知らなかったのだろう。
その時の状況を細かく教えた。