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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第13章 DAY6 最後の赤き晩餐



夕暮れ時。


赤の兵舎とは、これでお別れだ。




「ねぇ、本当にここで良かったの?」

隣に座るヨナが呆れたように言う。

「そう、ここが良かったの」



最後の夜。

セントラル地区の高級レストランを、というヨナの提案を断り、
レイアはヨナの部屋で過ごしたいと頼んだ。


並んで座るソファの前には
いつもの食事が並んでいる。

赤の兵舎の食事もとても美味しい。

ルカの料理とはまた違った美味しさがある。



「ねぇ、ヨナ」

食事をしながら、レイアは隣に座るヨナに話しかける。

「何?」


「…儀式が全て終わって、私が誰か一人を選んで…その後は平和的に解決できるのかな」

「それはわからないよ。どちらかが武力で決着をつけたい、となれば結局開戦する。
その時にレイアがいる方の軍が圧倒的有利になる…ただそれだけのことだ」


淡々と話すヨナの横顔は軍人のそれだ。
美しい整った顔立ちだが、目の色と表情は誇り高きクイーンの色を宿している。


「……ランスロット様は…私にヨナを選んで欲しがってるんだよね」


「………」


先日の一件を思い出したのか、ヨナの表情が陰る。


「……俺はランスロット様と赤の軍に、勝利をもたらしたいと願っているよ。でも君に俺を選ぶよう強要する気もない」


「…ヨナ……」

ヨナはレイアを見やり、ふっと笑う。


「まぁ黒の軍のもてなしが、俺にかなうわけないとは思うけどね」


つられてレイアも笑ってしまう。


「でもルカのごはんはすごく美味しいよ」


「当たり前だよ!ルカの料理は世界一だ…唯一負ける可能性があるのはそこだけだ!」


照れくさそうに顔を背けてそう言うヨナは少し可愛い。


「……本当に、ルカのことが大事なんだね」


「ルカは…ずっと俺が守ってきた大事な弟だ。…ルカの存在が俺を強くしてくれた部分もある」


「えっ」


ヨナが柔らかく笑みながら、懐かしむように語り出す。



「……ランスロット様との出会いが、俺を強くする最大のきっかけではあった。
でもそれは、大事な存在を守るため、自分を守ることで大事な人を傷つけないためでもあるんだ…
それを教えてくれたのは…ルカなんだ」


「そっか…」


二人の間にはきっと見えない強い絆がある。

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