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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第11章 DAY5 単独行動




ヨナは勢いよく兵舎を飛び出した。


焦りが全身に嫌な汗となって広がる。



数刻前のカイルの言葉が本当なら。



「あー、ヨナ。なんかアリスのやつ、真っ青な顔して走っていったぞ?」


庭を駆け抜け、門番の兵のところへさしかかる。

「あれっ…ヨナ様…」

敬礼も忘れ門番が驚いた顔をする。


「…もしかして、アリスがここを通らなかった?」

「……はい、かなり前ですが…でもヨナ様をセントラル地区で待たせている、とおっしゃって走って行かれましたが…」


「……っ」

ヨナは舌打ちをして、そのまま飛び出していく。




あっという間に赤の橋へたどり着く。
日が傾き始め、オレンジ色を帯びてきた。


(レイア……いったいどこに…)


赤の橋を渡り、セントラル地区へ向かおうとしたそのときだった。



「………レイア!!」


赤の橋の向こう。セントラル地区側から、歩いてくる人影を見つけ、ヨナは叫んだ。



「…ヨナ」



ヨナはレイアの元へ走った。

乱れた息のまま、ヨナはレイアの両腕を掴む。


「どうして一人で勝手に出ていった!!」


「………」


レイアは眉根を寄せてヨナを見上げる。


ヨナはレイアを責める言葉を浴びせながら
顔は切なげにゆがめていた。


「何があるかわからないんだよ…?君は特別な力を持っている…誰に狙われてもおかしくないんだ!」


悲しげに揺れるヨナの瞳が、レイアの胸にも切なさを落としていく。


「ヨナは、私がアリスだから心配しているの?」


「えっ…?」


ヨナの瞳が見開かれる。


「私に…赤の傘下に入ってほしいから優しくしているの?」


ヨナは「やっぱり」というような表情で目を伏せた。

(ランスロット様との会話を、聞かれていた)


長い溜息を吐いて、ヨナはレイアを見つめる。


「いいかいレイア…俺は誇り高き赤のクイーンだよ」


ヨナとレイアはまっすぐ見つめ合う。


「俺は赤の軍、そしてわが主ランスロット様のために忠誠を誓っている」


昼間の会話が再びレイアの胸を締め付ける。


「でもね、レイア」


琥珀色の瞳が迫る。


「……自分の意思に嘘をつくような行動は決してしない」


「えっ……」
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