• テキストサイズ

【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第11章 DAY5 単独行動




「今日は午後から時間がある。君がどうしてもというならまたセントラル地区へ連れていくよ」

朝一番、レイアにそう言い放ったヨナは
いつもの高飛車なヨナに戻っていた。




(昼食は終えたけど、ヨナどこかな…)


レイアはヨナを探し、兵舎の中をうろうろしていた。


ちょうどランスロットの執務室の前を通りかかった時
中から声が聞こえる。


「ヨナ、先日の件だが」


ランスロットの声。ヨナがいるようだ。

(あ、仕事の話かな)

レイアは自然と部屋の前で足をとめた。



「はい…ランスロット様」


「アリスとの仲はどうだ?順調か」

「……はい」


順調か、というランスロットの問いに、なぜか昨夜のことを思い出してしまう。



「良いか。アリスの身辺の世話をさせているのは他でもない、アリスが最終的な『主人』としてお前を指名し、結果的に赤の傘下に取り込むためだ」


(えっ……)


「そのためには『抱く』以外の方法でアリスの心を掴み、籠絡する…分かっています…我が主」


(………)


レイアは言葉を失う。
全身に冷たいものが流れ込む感覚が広がる。


「籠絡するのには…お前が適任だと踏んだが…俺の判断は間違っていなかったか?」


「はいもちろんです…ランスロット様のため、アリスの心も身体も、必ずやわが手中に収めてみせます」


(……もう、無理)


レイアは気付けば走り出していた。
1秒でも早くその場を去りたかった。

ヨナに会いたくない。



(ヨナが今まで優しくしていたのは…私を赤の傘下に入れるため)

頭の中がぐちゃぐちゃになり、何も考えられない。


ただ、さきほどのランスロットとヨナの会話だけが頭にこだまする。




「あれー、アリス、どこ行くんだ」


廊下ですれ違うカイルの声も届かない。


「…アリスー?」



レイアはそのまま玄関口におり、外へ出る。


庭を抜け、門まで走ると
門番の兵士に声を掛けられた。


「アリス様、どちらへおいでですか」


肩をびくりと揺らし、レイアは答える。


「……ヨ、ヨナと待ち合わせしているの…待たせると怒られてしまうから…」

「そうでしたか。お気をつけていってらっしゃいませ」


レイアは赤の橋目指してまっすぐ走った。
/ 289ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp