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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第10章 4th night 【レイ・ブラックウェル】





溜まっていた雑務を終え、私室に戻ったヨナは
時計を見やり、0時少し前なのを確認した。


(……軽く仮眠して、早めに出発するか)


軍服を脱ぎ、淡いピンクのシャツの胸元を緩め、ソファに身体を沈める。


(………あと、2日か…)


2日後の夜が終われば、彼女はその足で黒の軍へ身を移し

…赤の軍が主人となる。



夕刻、談話室で行われた会議の内容をふと思い出す。


………

「…先日話した通り、俺は月小屋の儀式には参加しない。ヨナ、エドガー、カイル、ゼロ…お前たちは全員儀式参加をしてアリスの力を確実に得ろ」

「はい」

ランスロットの言葉に
一同が返事をする。

「俺が行く日の分はアリスに指名をさせる。実質アリスは2度指名をするということだ。誰が当たっても確実に魔法の力を得て来るのだ」

「分かりました」


………




ヨナの心は複雑だった。

いくら儀式とはいえ、レイアを抱くことは己の正義に反しているような気がした。

彼女の力がなくても、赤の軍は黒の軍に負けるはずがない。

それに、彼女一人が毎晩身を削るという理不尽さも
ヨナには許しがたいことだった。


(こうしている……今も…)


ヨナの胸の中に僅かな痛みが落とされる。


(何なんだよ……このモヤモヤした気持ちは…)


苛立つ気持ちを何とかしようとヨナは窓を開けようと思い、窓辺へ向かった。



すると、一台の馬車がやってきた。


(ん…誰だこんな時間に)

ヨナは不審に思い、馬車から降りる人物に注視する。


(………あ、あれは!)


その人物の姿を確認した瞬間
ヨナは勝手に身体が玄関口へ向かって動いていた。








「レイア!!」

入り口の警備兵のところにいたレイアの元へ、ヨナは駆け寄った。


「ヨナ…」

「一体どういうこと…?」

状況の読めないヨナは、既に去っていった馬車の後ろ姿とレイアを交互に見る。


「……ブランさんに送ってもらったの」

「…なぜ?」

「……えっと」


俯き言い淀むレイアを見て、ヨナは彼女の手を取る。


「とりあえず…俺の部屋で話聞かせて」


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