• テキストサイズ

【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第10章 4th night 【レイ・ブラックウェル】




いつも月小屋を訪問する黒の軍メンバーは
大体同じ時刻に来ていたが

その日だけはいつもの時分になっても
来訪の気配がなかった。


(今日は遅いんだなぁ…)


遅いことにどこかほっとする半面
ルカの食事にありつけないことはおなかの虫が残念がっているようだった。


(……おなか空いた)


空腹しのぎに2杯目のお茶を飲み干した頃
外で馬の到着する音が聞こえた。



(あ、来た!)


レイアは今夜のことよりも
空腹が満たされることへの期待が勝ってしまい

つい玄関を開けてしまう。

「あ……」


ちょうど馬から降りたその人物は


(この人って確か……)


ガーデンでのあの夜
コイントスをした人物だ。


(黒のキング……確か)


「悪い…待たせた」

「あ…あの」


少し戸惑いを見せたレイアの元にレイがやってくる。


「黒のキング、レイだ。予定変更でシリウスと交代した」

「そ、そうでしたか…」

「あ、俺敬語とかいいから。…とりあえず」


レイは下げていた荷物をふっと持ち上げてレイアに見せる。


「腹、減ったろ?食おうぜ?」


レイは口角を上げてそう言った。










「うわぁ!美味しそう!!」

ほうれん草のキッシュにターキーサンド、色とりどりのピクルスに、ラディッシュとレタスのサラダ…デザートにドライフルーツのパウンドケーキまである。


「ルカが、腕ふるってくれた」

「すごいね…嬉しい!」


3度目の紅茶を淹れて食事を始めようとすると
レイが口を開いた。


「まず……黒のキングとして、昨夜のセスの非礼を詫びさせてくれ」


「え?」


意外な言葉にレイアは驚き目を見開く。


「…悪かった。本当にすまない」


「…いえ、そんな……」


「セスも悪気があって無茶をさせたわけではないこと…信じてほしい」


レイの真剣なまなざしが、レイアを射抜く。


(もしかして…これを伝えるために)

シリウスさんと交代、したのかな…。



「あ、あの…レ……」

言いかけた、ちょうどその時だった。


……ぐー…っ。

「あ…っ…!!」


レイアのおなかが鳴る。

(や…やだ!!なんでこのタイミング…!!)

レイは吹き出して笑う。

「…とりあえず、食うか?」

/ 289ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp