第9章 DAY4 黒き反省
「たっだいまぁー!みんなおはよーぉ………って…あら?」
勢いよく談話室に入ってきたセスを
幹部たちは横並びに座って待ちかまえていた。
「……えーっと、みんな怖い顔して…どうしたの?」
「どうしたの、じゃねえだろーがこのクソオカマ野郎が!!!」
第一声、口火を切ったのはフェンリルだった。
「てめぇこの儀式で朝帰りするたぁどういう神経してやがんだ!」
「あぁ?!フェンリルやんのかコラ…!」
矢継ぎ早に浴びせられる罵声にセスは拳をパン、とならして臨戦態勢をとる。
「………セスが悪い」
「ちょっと!!ルカまでフェンリルの味方なのぉ?!」
ルカは冷たい視線を送ると、ふっと逸らして呟くように続ける。
「……やりすぎ、セス」
「ほんっっとだよ!!俺たちがレイアに気遣って、やさーしく、やさーしく…負担のないように控えめに仕上げていたところを……台無しにしやがってこの馬鹿野郎!」
「あ?ガキのお遊びは一発で十分なんだよ…」
セスのオネェが再び消える。
「……ちょっと待て待て、ここで言い争いしてもしょうがないだろ」
冷静に間に入ったのはクイーンのシリウスだった。
「とりあえず…座れ、セス」
セスは幹部たちの目の前にぽつんと置かれた椅子に腰かけた。
フェンリルは今にも食ってかかりそうな勢いだ。
「……セス、朝までかかった理由があるなら言ってくれ」
シリウスは感情の読めない冷静な物言いで告げた。
「もう……あのねぇ…盛り上がっちゃったからいろいろ教えてあげただけよぉ…」
「盛り上がっただぁ?!」
「……教えてあげた…何を……」
フェンリルとルカが一斉に反応する。
「…それは、アリスにとって必要な行為だったと言えるか?」
シリウスは溜め息混じりに問う。
「そりゃあ、女に生まれた以上、知るべき快楽よ?知って損することないと思うけどぉ?」
「知らない国に来て毎日違う男に抱かれる運命の女の子に必要だったのか、という意味で聞いてるんだが…?」
シリウスの言葉に、セスは眉根を寄せて目を伏せた。
「そりゃ……酷なことしたと言えばしたかも…しれないけど…でも……」
セスは少し顔を赤らめて、視線をはずしたまま続ける。
「……止まんなかったんだよ…俺自身が」