第8章 3rd Night 【セス・ハイド】※R-18
しばらくしてセスは良い香りのする紅茶を淹れて
レイアにさし出した。
「ほら、いい香りよ?冷めないうちにどーぞ?」
「…ありがとう、セスさん…」
セスはレイアのすぐ横、テーブルに寄りかかりながら紅茶をすする。
「ふぅ……しかしまぁ…こんなに優しくていい子が…こんな運命を背負うなんて…」
セスは紅茶のカップをテーブルに置いて、レイアの髪をそっと撫でた。
「…セス、さん?」
レイアは酔っているせいか少し顔が赤く瞳を潤ませている。
セスはその顔を見るや、すっと目を細めた。
「…その顔……煽られてるみたいね」
「えっ……」
セスの言葉の意味が分からずぼんやりしていると
今度は荷物の中から小さな瓶を取り出した。
「………それは?」
「ん?これ?蜂蜜」
黄金色の瓶を見せながらセスは笑う。
そして瓶をあけて、人差し指ですくうと
「はい?あーん」
「……えっ?!」
レイアは少し戸惑ったが、セスの指が口元まで伸びて、蜂蜜が零れ落ちそうになったので
躊躇いながらもセスの指を舐めた。
(……ん…甘い)
「……こっち、向いて?」
少し低いセスの呼び声に、レイアは上目づかいに見上げる。
「……ん、いい顔してんな」
(えっ……)
セスの目つきは、柔和さが消えている。
「……んぐっ…!」
するとセスは突然
レイアの口内に入れられた指を深く沈め
中をまさぐるように動かした。
「……んんっ…ん……」
レイアは眉根を寄せ、苦しげに呻く。
「甘いだろ……俺も食べたくなってきた」
先ほどのセスはどこへ行ったのか。
目の前のセスは誰なのか。
何かの錯覚なのか。
目の奥の優しさは同じだけれど、醸し出す空気が全く違う。
「……んはぁっ…はぁっ……っ」
指が引き抜かれ、やっと口が解放される。
かと思うと、セスは蜂蜜を再び指ですくうと
「…や……」
今度はレイアの唇にその蜂蜜をぽってりと塗りたくった。
そして、艶めく唇を満足そうに見下ろすと
「……いただきます」
「…ぁ……んんっ…!」
セスの唇が重ねられ
一気に深く舌をねじこまれた。
「……んふっ……んっ…!」