第7章 DAY3 クイーンとのデート
「もう…ルカってばいつの間にそんな大人の男になっちゃったのぉ??」
セントラル地区。
買い物を終えたセスとルカが、カフェのオープンテラスで休憩中だ。
「…俺、とっくに成人してるけど」
「そんなの分かってるわよぉ!…そういう意味じゃな・く・て」
セスは身を乗り出してルカに囁く。
「昨日の夜のこと、言ってんのよぉ」
さすがにルカの顔が赤く染まる。
「ね?今日はアタシがアリスちゃんのところに行く番じゃない?何か共有する情報とか、ないの??」
「……ない」
「なによぉ、ノーヒントってわけ?冷たいわねぇ…」
ルカはセスをじっと見る。
「よ!お前らここでサボりかぁー?」
そんな二人の間に入ってきたのはフェンリルだった。
「…フェンリル」
ルカは助け舟の到来にふっと安堵の笑みをこぼす。
「あ?どーした、深刻な話か?」
「そーよ、アリスちゃん攻略の話よ」
「あーそっか、今晩セスだもんな」
フェンリルは空いていた椅子に腰掛けて、二人の間に置かれていた焼き菓子を一つつまむ。
「……つーかさ、セスって女抱けるの?」
「…フェンリル、場所考えて…」
かなり大きな声のフェンリルに、ルカが慌てて制する。
「…あ?フェンリル…誰に向かって言ってんだコラ」
「あ、オネエの仮面剥がれた」
「ちょっと…二人とも…」
ルカが呆れたように二人をたしなめる。
「……いい?セス…彼女は…自分自身のことをとても戸惑っているようだったよ」
「戸惑ってる?」
「うん……きっとフェンリルの時よりは慣れてきてはいると思うけれど…それでも不安そうにしているから…その」
ルカは俯きながら小さく続ける。
「……抱く前に、たくさん優しく、してあげてほしい」
「やっだーぁ、ルカ、アタシそーゆーの一番と・く・い!」
セスの仮面が復活する。
「何か同情するなー、レイアに…」
テラスで盛り上がる3人の元へ2つの人影が近づいてきた。
「……大きな声で騒いでいる野蛮人がいると思ったらやっぱり黒の軍だったね……ってルーカーー!!」
「……げっ」
ルカは突然現れた人影に明らかな嫌悪感を示す。
「あ……」
ヨナの後ろにたたずむレイアの姿に
黒の3人は一瞬目を合わせ固まった。