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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第35章 Last 2days【別れ】




「ヨ、ヨナ!!」


ばつの悪そうな顔のヨナがそこにうずくまっていた。


「な、なんでこんなところに…?」


「た、たまたまだよ!その……この間ここに来た時に大事なものを失くして、それを探してたんだ!それだけだよ!」


相変わらずごまかし方のレベルが底辺なヨナは、草の付いた服をはたいて立ち上がる。


「……君にしては上出来だったよ」


「え?」


ヨナは目を合わせずに言った。


「マカロンとマドレーヌ…部屋に届けてあったのは、君が作ったものだろ?」

「うん。直接渡したかったんだけど会えなかったから…ごめんね」


「仕事で不在にしてたのは俺の方だ、謝罪は不要だよ」




レイアは荷物を持つ手にぐっと力を込めた。

「……ありがとう、ヨナ」

「………っ」


息を飲んだヨナはようやくレイアの顔を見た。


痛々しいほどの笑顔を浮かべるレイアの瞳からは、涙がこぼれる。



「この世界を…大好きになれたのも、自分自身が壊れずにいられたのも……ヨナのおかげだよ」


二人の間に、出会ったばかりの頃の空気が流れ出す。


「私…クレイドルが……みんなのことが…好き。ヨナが許してくれなくても……ヨナのことが……っ」


言い終わらないうちに、ヨナが眉根を寄せながらうかつかとレイアの前に歩み寄る。


「………ぁ…」


気づけばヨナの胸の中に抱きしめられていて、一瞬呼吸が止まる。


「………」


懐かしく愛おしい香り。


(私は……このぬくもりを忘れることができるのかな……)


肌と肌が触れ合った時の温度

指先、唇、熱くなったヨナの全てを


「忘れる自信……ないよ……」


「………誰が忘れろなんて言った…?」


苦しいくらいのぬくもりの中で、上からヨナの声が降ってくる。


見上げると、琥珀色の瞳はもう冷淡さを失っていた。


「この赤のクイーンを忘れるなんて、絶対に許さないよ」


ヨナの指が、そっとレイアの顎を捉える。


「君がどこにいて……誰と共にいようと……この俺が認めた女性は君一人だ」


「ヨナ……んんっ…!」



何度このぬくもりを貰ったのだろう。

唇に落とされた……欲しくてたまらなかったもの。



(ん……ヨナ………)


顎を捉えた手が首の後ろへ回り、口づけが深まる。

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