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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第35章 Last 2days【別れ】




翌日。



クレイドルの空はよく晴れている。





レイアはセントラルへ向かうため、馬車に乗って赤の橋を渡っていた。


本来ならばまだヨナが「主人」であることに変わりは無いため外出には許可が必要なのだが、
肝心のヨナは避けているのか捕まらず、エドガーに伝言を頼んで単身セントラルにやってきたのだった。



(私がやれることを…最後までやる)

悔いの無いように。


(これで最後かもしれないから)

レイアは小脇に抱えたかばんの中身をきゅっと手で確かめると、セントラルの街並みを窓から眺めた。




馬車が到着したのは公会堂近くの郵便局だ。

中に入り、窓口に向かうとレイアはかばんの中身を出す。



ドサドサッ!!


窓口のカウンターに積まれた手紙を見ると、局員は目を見開く。


「これ、全部ですか?」


「はい、全部です」


12通の手紙は、一つ一つがとても分厚い。


「こちらの5通が黒の兵舎、こっちが赤の兵舎、これはブラン=ラパンさん宅、これは…あ、住所分からないなぁ…とりあえず黒の兵舎に!」


「は、はぁ…」


「それと、これは全部明後日到着にしてもらえますか?」


「ええ、大丈夫ですよ。順当にいけば明後日着になります」


「よろしくお願いします」


レイアは支払いを済ませ郵便局を後にする。



(さて次は)



市場へ足を向ける。


昼前の市場はまだまだ新鮮な食材がたくさん並んでいる。

「卵と、お砂糖、小麦粉…それからアーモンドプードルと…牛乳も必要かな。それと…」

レイアは手際よく買い物を済ませていく。


(作るのは久しぶりだな…うまくいくかな……)


大量の製菓材料を買うと、レイアは再び馬車を捉まえて赤の兵舎へと戻った。






赤の兵舎のキッチンはまるでレストランの厨房のようで、とても広く、道具も豊富にそろっている。

(黒の兵舎のキッチンも好きだけど…ここはすごいなぁ)


手伝うと言って聞かない料理長をなんとか追い出し、レイアは腕まくりをする。


(さて…時間の許す限り作ろう…!)


レイアは作業台の上に材料を広げ、武者震いをした。

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