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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第35章 Last 2days【別れ】



「ま、泣いても笑ってもあと2日だ…。それまでに、こいつの意地っ張りが治るかはお前次第かもなー、まぁ頑張れ」


「なっ…!どういう意味だよそれは…!!」

カイルはヨナの腕をつかむと、引きずるように部屋を出ていった。




(あと2日か……)


なのに
ヨナにこんな思いをさせてしまった…。

また罪悪感がこみ上げてくる。



(でも……そんなのに浸ってる場合じゃない…よね)


レイアは意を決して、すっかり日の落ちた外を窓から眺めた。












ヨナはカイルに手を引かれそのまま談話室へ入った。


「何で医務室じゃないんだよ」


「あ?そんなかすり傷、医務室で処置するレベルじゃねーよ」


カイルは椅子に掛けたヨナの目の前に絆創膏を一枚たたきつけた。


「……ヤブ医者」


「仮病人に言われたくねーな」


むっとするヨナの隣にカイルが掛ける。


「……お前、アリスが黒の兵舎行ったらどうなるかぐらいわかってたんだろーが」


「何のことだよ」


ヨナは目を合わせることなくしぶしぶ指先に絆創膏を巻く。



「で…どーすんだよ。あと2日……このまま満月まで放置して何も言わずに別れんのか?」


「俺に聞かないでくれる?アリスは野蛮な黒の猛獣共に陥落されたんだ。俺だけじゃ満足できないようなら最初から要らないよ……一人の女性を誰かと『共有』する趣味はないんでね」


「……月小屋の宴をやったお前が言えるセリフか?それ」


「俺は望んで参加したんじゃない!!」


ヨナが激情に任せて机を拳でたたいても、カイルは顔色一つ変えない。




「……お前が望んで月小屋に参加したかどうかなんて関係ねーだろ。俺たちはすでにアリスを『共有』しちまったんだ」



「…………」



「元の世界で…好きになった人と恋に落ちて、普通に幸せに過ごすはずだったアイツの人生を狂わせたのは……こっちの世界の妙なルールのせいだろーが」


「だから……俺はこんなこと……っ」

ヨナの琥珀色の瞳が苦悶に満ちていく。



「アリスは元々『安い女』じゃねーだろ。ただ、優しいだけだ」


「そんなこと、言われなくても分かって……!」


「でもって、お前も本当は優しいはずだ」


「な……っ!!」


顔を真っ赤にするヨナに、カイルがにやりと笑う。


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