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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第35章 Last 2days【別れ】



言い淀むレイアの頭に、カイルは大きな手でぽん、となでた。


「……お前が黒の兵舎に行ったらどうなるかくらい、予想はつくだろーが。いくらあの鈍いヨナでも分かってたはずだぜー?」

「えっ?」

(ヨナ…私が抱かれる可能性を知ってて許可したの?)

「でも普通は…こんなことにはならないよね……私がいい加減なせいでヨナを傷つけたことには変わりないよ」

「……お前さ」

カイルは笑みを消し、真剣な面持ちでレイアを覗き込む。


「自分のこと、過小評価しすぎだっつの」

「………え?」

「お前って、なんかほっとけねー感じするし……ましてや相手は一度関係を持ってんだからよ……『男』なら抑えが効かなくなっちまうんじゃねーか?」


カイルの指がそっとレイアの髪を撫でる。


「お前のせいじゃねーよ」

「……っ」


「ヨナもそれを分かってるはずだ……ただ、今はまだ気持ちが追いつかねーだけだ」


涙がこぼれそうになる。

それを見てカイルが苦笑する。


「おいおい泣くな……まーとにかく自分をそんなに責めんな?」


「……ん…」


上ずりそうな声でレイアは必死に頷く。




「………こんなところで何やってるんだよ、カイル」

突然、聞き慣れた声がする。

「噂をすれば……だな」

カイルは声のする方を見やってにやりと笑う。


「医者は医者らしく医務室にいたらどう?」

「今日の診察はもう終了だ、どこに行こうと勝手だろー?」

ヨナは眉根を寄せわざとらしくため息をつく。


「……ケガ、したんだけど?早く治療してくんない?」


「えっ……」

顔色を変えて見上げるレイアをヨナは一瞬見たが、すぐカイルに視線を戻す。

カイルは目を細めてヨナを見る。


「………ったく、時間外料金取るぞ」

「軍医が幹部から金とる気?!」


つかつか、と歩み寄ったカイルは、大げさに押さえ込んでいるヨナの手を乱暴に掴み上げた。

「痛っ!!」

「………ったくこんなかすり傷自分で消毒しろ。ここに来る口実にしちゃ下手くそすぎんなー……」

「……はぁ?!違うし!つべこべ言ってないで治療してよ」

ヨナの顔が心なしか赤い。


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