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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第32章 last 4d【黒への招待】






「それでは……カンパーーーイ!!」


黒の兵舎、談話室兼食堂にグラスのかち合う音が響き渡った。


レイやシリウスをはじめとした幹部たち、他の兵士たちも集まってレイアを囲み酒を酌み交わしている。


わいわいと談笑する中、少し離れたところで壁際に立つシリウスに、レイが歩み寄る。


「シリウス、例の件」

「もちろんだボス、さっき早馬の伝令を出した」

「OK、さすが」

シリウスは視線だけでうなづき、輪の中へ戻るレイを見つめた。



シリウスは夕方、早馬の伝令でランスロット宛に手紙を出していた。


その内容はこうだった。


「レイアは昼に酒を飲んでしまって少々酔いつぶれている。
今は眠っているが、目覚めるのが夜中になってしまった場合は責任もって朝送り届ける旨を赤のクイーンに伝えてほしい」

もちろん昼間にレイアが飲酒をした事実はないが、シリウスは「旧友」という立場でランスロットにそのような手紙を送ったのだった。


ランスロットに送ればヨナが暴走することはない、と踏んだシリウスによる作戦である。



「おい、海老のパスタこっちにもよこせよー!!」

「…フェンリル、怒鳴らなくてもまだある……」

ルカは眉根を寄せながら次の大皿を運んでくる。


「ルカ、私も手伝おうか?少しは休んで…」

「いい…あなたは座って……俺の料理、食べてて」

「いいぞルカ、後は俺が代わるからレイアの隣座ってろ」

シリウスがルカに代わって料理を提供してくれる。

ルカは少し顔を染めながら、うれしそうにレイアの隣へ座った。


「……バカ兄貴、うざくない?」

「えっ?」

「あいつ本当に…度が過ぎてるから…何事にも」

「……そうだね」

レイアは苦笑して答えた。


「でもそういうところ、悪くないよね…」

「俺は無理……」

ルカは目の前にあったオレンジジュースを飲んだ。


「あ、私も何かお代わりもらおうかな…」

レイアが立ち上がろうとするとセスが後ろからやってくる。

「アーリースーちゃんっ!」

「わぁっ!」

いきなりの後ろハグにレイアはよろける。


「セス……そういうのダメ」

「いいのよぉ。ほら、アリスちゃんもお代わりどーぞ?」

少し赤い顔のセスはオレンジジュースを差し出した。
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