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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第31章 few days later【ロキ・ジェネッタ】※R-18



セントラル地区を抜け、森の奥へ向かうと
そこにはぼんやり光を帯びた魔宝石の自生する美しい池があった。


「うわぁ……すごく綺麗…」


レイアは瞳を輝かせ、ため息混じりに呟いた。


「綺麗でしょ。涙の池って言うんだよ」

ロキはレイアの腕を離さずに池のほとりに腰掛けた。
そのすぐ横には釣り竿が仕掛けられている。

ロキは竿を手に取ると
「あれぇ…おかしいなぁ。全然掛かってない」

手応えのない竿に首を傾げると、再び元に戻した。


きょとんとするレイアの視線に気づいたロキは、再び三日月の眼差しで答える。


「そのうちおっきな魚が釣れるから!明日のお土産に持っていきなよ」

「えっ、魚を?」

(ちょっと生臭くないかな…)

しかしロキの満面の笑みを目の前に断ることも別の提案をすることもはばかられる。


(ま、いっか……セントラルにいても決められなかったし)

レイアはぼんやりと光る池の水面に視線を戻した。




「アリスは…もうすぐ元の世界に帰っちゃうの?」

「えっ」


しばし静寂が流れ、それを破ったのはロキだった。


「月小屋の宴のせいで…嫌いになっちゃった?俺たちのことやこの世界のこと」


「そ、そんなことないよ。みんなのことも、クレイドルのことも…大好き」


「じゃあずっとここに居たらいいのに」


ロキのオッドアイがレイアを覗き込む。

目を逸らせない。



「……私、この世界で生きていこうって、実は思ってるの。ヨナのことも大切だし…ヨナ以外の他の人たちのことも大切だし……でも、ちゃんと元の世界にお別れも言いたいの」

レイアの凛とした顔に、ロキは少しだけ頬を染める。

「その次の満月で必ずここに戻るから…ここで生きるために一度帰るの」

ロキが僅かに眉根を寄せ、レイアの前髪を撫でる。

「戻ってこれなかったらどうするの?」

「何度でも挑戦する。満月が来るたびに」

「それでもダメだったら、もう二度と会えなくなるよ?」

「…っ」

二度と会えなくなる……そのリスクを考えなかったわけではないものの、レイアは言葉を詰まらせる。


ロキはそのままレイアの頬をなでて、両手でそっと包んだ。


「俺は可愛いものと美しいものは…絶対に手放したくないんだ……」

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