第30章 13th morning 2nd【収束】
公会堂へつながる扉が、かちゃりと音を立てて開いた。
「ごめんなさい、皆さん…お待たせしまし…」
現れたレイアの姿に、そこにいた一同は一斉に目を奪われた。
薄い水色を基調としたパールホワイトのドレスは、レイアの白い肌と金の髪をいっそう引き立たせていた。
「……やっぱり僕の見立てに狂いはなかったね」
ブランは満足げに微笑み、レイアの元へ歩み寄った。
「さあレイア、こちらへ座って。ランスロットは不在だが、月小屋の宴、最後の仕上げの準備に入ろう」
「え、あ…はい」
「各幹部の皆さんも着席して。ランスロットが戻ってきたらすぐに始めるよ」
ブランは、エドガーと彼を解放するカイルに目くばせする。
「無理しなくていいからね…この場にいてくれることは負担にならないかい?」
「まぁ医者としては一刻も早く連れ帰りてぇとこだが、終わんねぇとこっちも動けねぇからな。大丈夫だ」
エドガーも黙ってブランに視線を送り僅かに口角を上げた。
「さすが赤のジャックだね」
こうして、黒の軍幹部たちと、
赤の軍はヨナとゼロが着席し、カイルとエドガーは少し離れたところに控えていた。
お尋ね者のハールとロキは、ブランが姿を現す直前に誰にも告げずに姿を消していた。
そして真ん中の誕生日席にレイアが着席し、その横にブランが控えた。
「途中トラブルもあったようだけれど、ひとまず『月小屋の宴』は終了した。これよりアリスには…『月小屋の主人』を指名してもらい、その主人の属する軍の傘下へ入ることになるよ」
ブランがレイアの腰掛ける椅子の背もたれに手をつく。
「彼女がどちらの傘下につくか…それにより話し合いで和解するのか開戦するのかは両キングの話し合いで決めることになる…」
一同は空席になっているランスロットの席を見つめた。
「赤のキングが戻り次第、和解か開戦か決めたいのだけれど………」
ブランは長いため息をついて、幹部たちを見渡した。
「そもそも……この両軍の戦いは、これから先意味を成すものなのかな?」
「えっ…」
その言葉にはレイアを驚き目を見開いた。
「………ブラン、どういう意味だ」