第30章 13th morning 2nd【収束】
「さて」
ランスロットは改めてアモンに向き直る。
アモンの不気味な笑いが静かに響く。
「くっくっくっ……美しいな。己を犠牲にして忠臣を逃がすか」
「何を勘違いしている。貴様を倒し、俺は再び皆の元へ帰る」
「抜かす……公会堂はどの道火の海だ。お前らの大事な幹部共は全員あの世へ行くことになるだろう」
「……幹部たちは全員無効化の力を持っている。それを使えば爆発はせん」
「……お気楽な奴らだなお前らは」
アモンの懐から魔宝石の光が溢れる。
ランスロットは咄嗟に手をかざし、青白い防御壁を作った。
無効化された魔宝石を床に投げ、アモンは高らかに笑う。
「はっはっはっ、お前もアリスを抱いたのか…所詮ケダモノだなお前も」
ランスロットは剣を抜き、一気に間合いを詰める。
「真のケダモノはお前だ。お前が先代を殺めたのは知っている…」
「……ほう…。では話が早い」
剣を受け止めながら、アモンはすっと冷えた笑みを浮かべる。
「我が野望に反旗を翻すならば、お前も先代と同じように黒の橋の上に躯を晒そうではないか」
「躯をさらすのはお前の方だ…最も、俺はそのような下劣な趣味は持ち合わせていないがな」
剣のぶつかる音が何度も響く。
「クレイドルを支配するのはこの私だ!!アリスの力を使い、大量の魔宝石を使えば、いとも容易く支配できる…!この計画を邪魔する者には死あるのみだ!!」
「……お前のような者にクレイドルは渡さん。俺が必ず守ってみせる」
2人の間には剣が煌めき、魔法が激しくぶつかり合いながら、時が過ぎていった。
魔法を弾く力を持つ者は全部で7名。
ガーデンは広いので4名、残り3名が公会堂内部の各所を回ることにした。
「準備はいいか」
ハールの問いかけに全員が頷く。
「では今から1分後から時間を止める。それぞれ配置について、一気に探し出そう」
「わかった。ガーデン組、気を抜くな」
ガーデンを探索するのはヨナ、セス、カイル、レイアだった。
公会堂はレイ、シリウス、ルカが担当する。
「では…皆、頼む」
ハールの掛け声で全員が打ち合わせの位置に散った。