第28章 13th Dawn 真意
レイとルカ、セスがガーデンに到着すると、その場に居た人物の意外さにそれぞれが声を上げてしまう。
「げ……」
「ルカ…ルーカー!!!!」
「きゃーっ!アリスちゃーーーんっ!!」
「……おー黒の連中も来たかぁー」
「ちょっとアリスちゃん大丈夫なの?!」
「おい!オカマ、血生臭せえぞ?離れろ…」
「……ちょっと…お前ら落ち着け…落ち着けって!!!」
レイが珍しく声を荒げて、一同はぴたりと動きを止めた。
「……ルカ、とりあえず兄弟喧嘩は一旦休戦」
「……」
ルカは不服そうに閉口する。
「赤の7(セブン)、レイアの容体は」
「……あー、ちょっとやっかいな感じだな…今すぐどうこうってことはねえけど…」
カイルは言葉を濁して、横たわるレイアを見やった。
カイルの処置で少し落ち着いたものの、レイアはまだ呼吸が僅かに乱れて苦しげにしている。
「……レイア」
レイの呼びかけにレイアは僅かに目を開ける。
「………レイ…」
「大丈夫か」
「…ん……」
力のない返事ではあったが、僅かに緩んだ口元を見てレイは少しだけ安堵する。
「……誰か状況を説明してもらえないか」
レイは立ち上がってヨナとカイルを見やった。
「俺から説明するよ」
ヨナが名乗りをあげ、レイに今まで起きた出来事を話した。
「……つまり、赤のキングはエースを連れて黒幕を潰しに行ったってことか」
「我が主が必ずアモンを倒すだろう…そしてレイアの容体が良くなれば…」
「……そんな簡単に終わるワケないでしょうが」
割って入ったのはセスだった。
「どういう意味だよ」
あからさまに不服そうな顔でヨナが答える。
「アモン?だっけ??もう一つくらい何か隠し玉あるんじゃないかってことよ!」
「なっ……!!」
ヨナは言葉を失う。
レイはそれでもひどく冷静な声で続けた。
「……アリス誘拐の手法が簡単すぎ…それに、容易く奪還させたのを鑑みると、これも一つのかく乱かもしれない、というのが俺たちの見解だ……」
「しかし、アモンの目的はレイアの力を得ることだ、と」
「いや…最終的な目的は……」
レイは一呼吸置いた。
「クレイドルの掌握だろ」