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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第26章 12th Night【ヨナ・クレメンス】



レイアを抱える敵は振り向こうとするが、首元にサーベルの刃先が当てられていることに気付くと動くのを諦めた。



「目の前のヨナさんにばっかり注目していたら…こういうことになりますよね」



「くそっ…」



「エドガー!」


ヨナと対峙していた2人のうちの1人が振り返ってエドガーに斬りかかろうとするが、ヨナがそれを許さない。


「うぐっ!!」


「俺に背中を向けるなんて、随分甘く見られたものだね」


右肩を斬りつけられた敵は剣を床に落としその場に崩れ落ちる。


ヨナは相手の傷口目掛けて足で蹴り倒すと、もう一人の敵へ即座にサーベルを向ける。


「そろそろ分が悪いことを認識したらどう?早くレイアを解放して」


しかし、レイアを抱きかかえる魔法学者は再びくつくつと笑った。


「分が悪いのはお前たちの方だ。アリスは我らが手の内にある。赤のジャックよ……『外の掃除』がいささか手ぬるかったようだな」


「……っ」


次の瞬間


バンっっ!!


月小屋の玄関が蹴破られる。


そこからゾロゾロと、剣を構えた黒いローブの敵が押し寄せてきた。

「赤…ノ……くイーン……じャック……た…オセ……」


魔法で操られた無機質な動きの敵が
壊れた自動人形のように近づいてくる。


「クソっ!!」


背後の敵襲に気を取られたヨナに、敵の剣先がきらめく。


しかしヨナは間一髪で相手の刃を受け流す。



形勢は完全に逆転してしまった。


「では赤のクイーン、ジャックよ…せいぜい楽しむことだ」


レイアを抱きかかえた魔法学者は
赤い閃光に包まれていった。


「……待てっ!!」


エドガーの刃先が赤い閃光を斬る。
そこに手応えは、ない。


「レイアーーっっ!!」


敵の刃を受け止めながら叫ぶヨナの声が
空しく響く。



そうこうしている間にも
操られた無数の魔法学者たちが、月小屋の中へとはいってくる。


「うわー、エグいですね」


エドガーは口元だけ微笑みながら、冷たい眼差しを送る。


「ここは俺に任せて行って下さい、と言いたいところですが」


「そんなことさせないよ!」


サーベルが剣をはじき返す金属音と共にヨナが答える。


「では早急に片づけましょう」



エドガーが構えたその瞬間……


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