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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第26章 12th Night【ヨナ・クレメンス】




「…ヨナ?」


レイアが月小屋の中へ入ると、ダイニングテーブルの椅子に掛けていたヨナが立ち上がった。


「やぁ、レイア……」


レイアはヨナのそばへ行くと、僅かに違和感を覚える。


「……ヨナ、どうしたの?」


「え?何が?」


「……なんか、緊張してる?何かあったの?」


「…っ、そ、そんなことあるわけないだろ?」


照れとは違う、慌てた様子のヨナに、レイアはますます違和感を深める。


「ヨナ」


「何さ」


「……ちゃんと話して」


「う……」


俯くヨナの前髪がさらさらと零れ落ちる。


レイアはその前髪をそっとかき上げて耳に掛けてやる。


「……っ」


ヨナの顔がさっと赤くなる。



「…言いにくいなら、無理にとは言わないけど……」


レイアの心底案じている顔を見ると、ヨナは居てもたってもいられなくなってしまう。


(レイアを守らなきゃ…不安にさせちゃいけない)


「大丈夫、何でもないんだ…」


ヨナはそう言ってレイアの身体をそっと抱きしめた。


「…ヨナ?」


「明日の朝、君は月小屋の主人を指名することになる。もう…決めているの?」


「………うん」


ヨナの鼓動が自然と高まる。


「そ…そう……もう決めてるなら心配することはな……」

「ヨナだよ」


「えっ……」



レイアがヨナの瞳を覗き込む。


「……だめかな…」


「そ、そ、そんなわけ…ないだろ?!」


ヨナの瞳がきょろきょろ泳ぐ。
顔は真っ赤だ。


「君が赤の軍に入ってくれることを我が主も望んでいる。それに両軍の全面対決も避けられる可能性があるし、その方が黒の軍にとっても結果的には良いだろうから…だからその……」


次の言葉が出てこず、ヨナはレイアに視線を戻した。


…自然と甘い溜息がもれてしまう。




「……何より、俺が嬉しいよ」


「ヨナ……」


レイアの腕が自然と背中に回される。

その確かな温もりを

お互いに感じ合う。




視線を通い合わせた二人は、どちらともなく唇を重ねた。

深まりそうになる口づけを、はっとなってヨナが制する。


「……?」


レイアの瞳が名残惜しそうに潤んでいる。


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