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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第23章 DAY11 奇襲・2



ルカはレイアの姿を見つけると、微かに微笑んだ。


「…あなたが無事で、よかった」


「ルカ!怪我しているじゃないか!右腕以外の怪我は大丈夫なのか…?!」


「大丈夫だって…うるさいな……」


そう答えるが、ルカはヨナの腕の中から起き上がることができずにいる。


「レイア…少しルカを頼む。俺は市街地まで出て馬車を呼んでくるから」


「うん……」


レイアがヨナからルカを貰い受けると

ヨナは馬に跨って、市街地の方へと走り出した。




「……心配かけて、ごめん」

「大丈夫だよ…それより本当に平気なの?」


ルカの額から汗が流れる。


「うん…右腕だけ……」


「すごく具合が悪そうだよ…」


レイアが不安そうな顔をしていると、ルカがレイアの頬にそっと手を添えた。


「大丈夫だから…」


頬に添えられたルカの手に、レイアは手を重ねた。


「すぐ、ヨナが来てくれるよ…」


涙をこらえながら、レイアは笑顔を作った。










ルカは黒の兵舎に到着後、黒の軍の軍医の元へ運ばれた。


命に別条はなかったものの、右腕を今まで通りに動かすには1週間前後はかかるとのことだった。


談話室に集まった幹部たちは、それぞれ神妙な面持ちだった。



「今回も魔法の塔かよ…一体なんなんだ!今から乗り込んでぶっ潰してやろーぜ!」


フェンリルは相棒の銃をくるくる回しながら言った。
明るい口調だが、目は笑っていない。


「ダメよ、フェンリル…あんたが行ったら大騒ぎになっちゃうじゃない…ここはやっぱり」


セスの目が光る。


「……アタシが奇襲かけて一気にせん滅させてやるわよ?」


「おいおいお前らちょっと待てって」


シリウスが冷静な制止をかける。



「……ボス、どう思う」



レイはずっと腕を組みながら思案しているようだった。

シリウスは何か考えがあるのだと思い、レイの言葉を待っていた。



「……おかしいと思わねーか」


レイの声は冷静だ。



シリウスをはじめ、幹部がレイの次の言葉を待つ。



レイは皆の顔をまっすぐ見ながら続けた。



「もしアリスを…レイアをさらうことだけを目的とするなら、奇襲のタイミングは『月小屋の儀式中』がもっとも確実だ」

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