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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第23章 DAY11 奇襲・2



「言われてみればそうね…一番無防備な格好でお互い夢中になっちゃってるんだから……」


セスがさらりと言う。


「黒の軍幹部の持っている『アリスから貰った魔力』を無駄遣いさせることだけが目的なら、

前回のように…力を使わせた段階で目的達成のはず…

襲わせた人数、
そして執拗にルカを攻撃する理由に説明がつかねー」


「つまり」


シリウスの目が厳しい色を宿す。

「……俺たちを『煽っている』ってことか」


レイはシリウスの言葉に頷いた。


「俺たちがルカ負傷の報復に魔法の塔へ乗り込む…
あるいは赤の軍へ疑いをかけ乗り込む…

いずれにせよ俺たちが『暴走』するように仕向けてるかもしれねえな」


フェンリルが悔しそうに眉根を寄せる。


「……月小屋の宴の期間中に動いたら、アウトだよな…」


「場合によっちゃ宴が中止、開戦か…自動的に赤の軍の勝利、となることもある」


一同は黙り込んでしまった。


(あいつらの『目的』はなんだ……)

レイの頭の中の疑問には、まだ答えが出そうになかった。

















赤の兵舎。


エドガーが、食堂で遅めの昼食をとっていると
意外な人物がそこへやってきた。


「…ランスロット様」


エドガーが食事の手を止め立ち上がろうとするのを手を上げ「そのまま」と制止する。


ランスロットはそのままエドガーの向かいに座り、給仕に軽食を頼んだ。



「珍しいですね…あなたがまともに食事をとるなんて」


エドガーは柔らかく笑って言った。


「エドガー……ヨナの話は聞いたか」


「奇襲の件ですか?それなら聞きましたよ」


「…そうか。で、以前頼んだ件だが」


エドガーは、月小屋へ赴く前にランスロットから言われた言葉を思い出す。


「あぁ…あれですよね、『アリスの力を絞り取るだけ絞り取れ』って」


ランスロットは頷く。


「どれほどの力を得た?」


エドガーがふわりと笑む。


「そうですね……ざっと10弱くらいでしょうか…」


ランスロットは苦笑した。


「これは頼もしいな……」


そしてすぐ表情を戻し、エドガーを見据える。




「月小屋の夜から朝にかけて、極秘でアリスの警護をしろ。今朝のようなことがあっては敵わん」




「かしこまりました、我が主」



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