第20章 9th Night【エドガー・ブライト】※R-18
「覚えていないのなら、ないのと一緒、でしょう?」
エドガーはポケットから赤い薬を取り出すと
自ら口に含み、レイアの唇へとかさねていった。
「……んんっ!」
舌で一気にこじあけられ、あの甘い薬の味が広がっていく。
「……ん……んん…」
エドガーの髪が僅かにレイアの顔をかすめ、香水のような香りが漂う。
ヨナから香るそれとはまた違う香りだ。
口内を舌で蹂躙されながらその香りをかいでいるうちに
レイアは身体の奥から、また昨夜のような熱がこみ上げてくるのを感じた。
(…な、んか……変…)
「…ん……っ」
僅かな水音を立てて離れた唇を追うようにレイアが潤んだ瞳をエドガーに向けると
「…驚いた……本当に効果が早いのですね」
少しだけ目を見開いたエドガーが感心したようにそう告げた。
「……」
身体の奥から湧き出た熱が、全身に広がり、全ての場所の感覚が研ぎ澄まされていく。
「じゃあ、はじめますね」
エドガーはにっこり笑うと、素早い手つきでレイアの両手を押し上げて組み敷いた。
「…あっ……!」
片手で抑え込み、もう片方の手で懐から手錠を出す。
「…え……」
カチャリ。乾いた金属音が響き、レイアの両手首が拘束された。
「……その煽るような瞳、見られないのは惜しいのですが…」
エドガーはそう呟くと、今度はスカーフでレイアの目元を覆った。
「エ、エドガー…!これ…!」
目隠しをされ、両手を拘束されたレイアは、突然のことに戸惑うような声を出す。
エドガーはそれに答えず、淡々とレイアのブラウスのボタンに手を掛けた。
「……ぁ…っ!!」
徐々に服が脱がされていく事実に、レイアの身体が一気に火照り出す。
服と肌が擦れる度に、下腹部が潤んでいくのが分かる。
「……ん…んん……っ」
服と下着がはがされ、素肌が空気に触れる感覚がする。
「……エドガー…?」
視覚を奪われていることで、羞恥心が極端に増す。
(どうしよ…恥ずかしい……)
エドガーの声や気配を感じなくなったほんの数秒間が、永遠に感じる。
高まる羞恥が快楽へとつながっていき、身体はどんどん熱くなっていく…そう思った次の瞬間だった。