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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第19章 DAY9 奇襲




午前中の診察を終えたカイルがカルテを書いていると

医務室をノックする音が響いた。



「…午前中はもう終わりだぞー?」


「俺です」


そこに現れたのはエドガーだった。



「お疲れ様です、カイル。昨夜は大事な『お勤め』だったというのに随分お元気ですね」


「酒は殆ど飲んでねーからな」


「なるほど…カイルには毎晩でも月小屋に行かれた方がかえって日中の職務を全うできそうですね?」


「エドガー、用がねーなら帰れよー?」


エドガーはふっと笑って患者が座る椅子へ腰掛けた。



「あ?どっか悪いのか?」


「いえ、聞きたいことがあります」



カイルはカルテに目線を落としたまま続きを促す。



「……昨夜、どんな手を使いました?」



カルテにペンを走らせる手が止まる。



「……どういう意味だ?それ」


カイルの視線がエドガーに向けられる。



「……言ったままの意味ですが?」




「……どんな手って、ノーマルだよノーマル」


エドガーが苦笑する。


「優しい軍医のあなたが、普通な手を使うわけがない…どちらかというと月小屋に行くことすら拒んでいたというのに…」


カイルは机に頬杖をつき、ため息をついた。


「ランスに嘘つくと面倒だからな」


「何か特別な手段を用いたのなら俺にも共有して下さい。これはジャックとしての命令です」


カイルは更に長いため息をついた後、ポケットから赤い薬を取り出した。



「……記憶が飛ぶ薬だ。多分昨夜のことはほとんど覚えてねーはずだ」



「記憶が…飛ぶ…」


「飛ぶほどの快楽が得られる、とも言う。1回1錠、用法用量を守れ。俺からは以上だ」


「ありがとうございます、カイル『先生』」



エドガーは笑みをたたえ、その薬を受け取ると


満足げに医務室を後にした。




「ったくどいつもこいつも…腹ん中何考えてやがんだ?」




カイルの呟きは、エドガーだけに向けられた、というわけではなさそうだった。










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