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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第18章 8th Night【カイル・アッシュ】※R-18



月小屋の扉を開けると
中から微かにお酒の匂いがしてきた。

(あれ、カイルもう来てる?)

外に馬はなかった。
馬車で来たのだろうか。



「こんばんは……カイル?」


ダイニングテーブルの上には飲みかけのウイスキーが置いてある。


「カイル??」


「………だ…誰か……」


(えっ?!)


呻くような声。カイルの声だ。


「カイル?!」


何かあったのだろうか。嫌な予感がしてレイアは声のする方を見やった。



「………ん…だれ、か…………っ……を……」


(あれ?)


レイアがベッドの方へ行くと
服の乱れたカイルが丸まって眠っていた。

先程から寝言を言っているようだ。


(ね、寝てる…?)


今までにないパターンのため、レイアは戸惑う。

(えっとこれは……起こさない方が…いい?)


恐る恐るカイルを覗き込むと
カイルは眉根を寄せ、少し苦しげな顔をしていた。


「……ん……誰……か………頼む………んで……」


額に少し汗が滲んでいる。


(うなされてるのかな……)


レイアはそっとカイルの髪をかきあげ、額の汗を拭ってやった。


「……んん」


すると、カイルのまつげが僅かに震えた。


「………あ、れ……アリス…もー来てたのかー」


「大丈夫?」


「ん?あー、まだそんなに飲んでねぇ。……寝て少し抜けた」


(うなされてたことを心配したんだけどな…)


本人は自覚がないようだったのでレイアはそれ以上言及するのをやめた。



カイルは身じろいで仰向けになり、覗き込むレイアと目を合わせる。



「そーいや、ランスが5日目に来ることになったって、聞いたかー?」

「えっ?!」


(ランスロット様は、魔法が使えるから必要ないって…言ってなかったっけ……)


「その顔は聞いてなかったみてーだな」


「……うん」


レイアは怪訝そうに頷く。


カイルは、昼間ブランから聞いた「分け与えた魔力の法則」を説明した。


「つまり、ランスロット様はご自身の力を更に高めるために…?」

「そういうことだなー……しかも…」

カイルは上半身を起こし、目線をレイアと合わせる。


「言いたかねーが、黒と何発やってるかで戦況も変わる」


「………っ!!」

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