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【イケメン革命】月小屋へようこそ【R-18】

第17章 DAY8 思惑




「たとえば…もともと魔法を使える奴や、魔宝石を持つ人間がこの力を得た場合どうなる?相殺されるのか?」


カイルは医者としての立場で質問をしているように見受けられた。



「いえ、その逆だよ。自らは魔法の力を使いながら、相手からの魔法を防ぐことができる…万能プレイヤーになることができるよ」


「……それは知られている事実か?」


「そうだね…この月小屋の宴を知る人間は大体知っているかと思うけど、ここまでの詳しい情報は知らない人も多いかもしれないね」




「…そういうことか……」


「……?」


一人呟くカイルの横で、ブランとオリヴァーは小首をかしげていた。


カイルは一人、日中ランスロットに告げられたことを思い出した。













「気が変わった。俺も月小屋の宴に参加することにした」


「は?」


昼食の時間、食堂でランスロットは幹部たちにそう告げた。


「どういった心境の変化でしょうか、我が主」


考えが読めず、ヨナが少し困惑気味に尋ねる。


「…俺もアリスに興味を持った。ただそれだけだ。最終日は慣例通りアリスに指名させる」


そう告げて、ランスロットはヨナの肩に手を置き呟いた。


「引き続き、最終的な主人はお前を選ばせるようしっかりアリスを落とせ。わかったな」


「……承知いたしました、我が主」










(ランスロットは、自分の魔法が相殺されずむしろプラスになることを知って方針を変えたのか?…それとも)


カイルはイチゴの香りのする紅茶を一口含む。


カイルの頭脳を持ってしても、推理はここで止まってしまい先へ進まなかった。


「……まったく、君って人はお酒がないとすぐそうやって考え込んでしまうんだから…」


「あ…?」


ブランはやれやれといった表情で、ブランデーを一滴だけカイルのカップに垂らした。


「香り付け程度ですからね?」


「おーブランさすがだなーよくわかってるぜ!」



カイルはぱっと明るい表情になり、いっきに紅茶を飲みほした。


「……ああ、長生きしないなこいつは。まさに『医者の不養生』だ」



オリヴァーは呆れたようにそう呟いた。



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