第16章 7th Night【ゼロ】※R-18
「……ヨナと替わってやりたいところだが」
ふっと眉間にしわを寄せてゼロが続ける。
「幹部全員が力を得る、というのは我が主からの命令だ。お前にはツラい思いをさせてしまうだろう…すまない」
「ゼロ…」
「なるべく負担のないよう…努力する。だがその…」
ゼロは言葉を続けようとするが、レイアから視線を逸らし言い淀んだ。
「……?」
小首をかしげるレイアに、ゼロは明後日の方を見ながら話し出す。
「…そのっ……女性がどうすれば喜ぶか…正直あまり…よく知らない……」
「……!」
ゼロの顔は真っ赤だ。
レイアもつられて赤くなってしまう。
真っ赤になった二人の間にしばしの沈黙が流れた後
意を決したようにゼロが立ち上がり、レイアの元へ来た。
「……教えてくれるか、レイア…お前の全てを」
ゼロの手が差し伸べられる。
レイアはその手を取って立ち上がった。
「……うん。お願い、ゼロ」
するとゼロは驚くほど優しい力で
レイアの身体を包み込むように抱きしめた。
「……ぁ…」
ゼロの逞しい胸板に顔が押し付けられ、ゼロの体温が全身にゆっくり伝わってくる。
ゼロの鼓動が、早鐘を打っている。
(ゼロも…すごくどきどきしてるんだ……)
ゼロの少し不器用だがまっすぐな思いが
胸の鼓動と共に伝わってくるようだ。
ゼロは腕の力が弱めて、レイアの顔を覗きこんだ。
そしてレイアの髪をそっとかきあげる。
「…何だか、不思議だな」
「え?」
ゼロがかすかに笑う。
「お前を抱きしめると、なんだか落ち着くな…」
「…っ」
その言葉に顔を赤くするレイアを見つめながら
ゼロはゆっくりと唇を重ねていく。
「……ん…」
そっと触れるだけのキスが、優しく落とされる。
少しずつ、少しずつ、角度を変えながら様子をうかがうように、ゼロの唇はどこまでも優しく触れていった。
「……ん……ぁ…」
レイアの首の後ろにゼロの手が添えられ
そこから一気に口づけが深められていく。
「………んん……っ」
ゼロの熱い舌を受け止めるように、レイアは舌を絡めていく。
「……んっ…んはぁっ……っ」