第7章 ハイズと豚野郎と犬
今日もまたハイズは絶望のなか、どうにか耐えていた
部屋の外で怒りに燃えながらもどうにも出来ない自分と豚を殺したいほど憎んでいる魔獣の兄ジェイク
可哀想な悲鳴も、鞭打つ音も怖くて屋敷の外でうろうろさ迷っている弟ダレク
ダレクは街の入り口からする声にハッと顔を向ける
街の入り口には距離があるが、間違いなくだ。
急いで走り出す。魔獣のブラックハウンドは唯一3形態てきる生き物だ。
獣型は大きな黒犬、獣人型は二足歩行の他のみんなと同じ、そして人型は全身に生まれつき幾何学模様が描かれている。
もはや伝説の種族で、死ぬと失われる幾何学模様が生きてるまま剥がされ闇売買で億の値がつくほどだ。
魔獣なので街への距離が三十キロあったが、全力で走るとたちまち達の元へたどり着いた
黒犬の姿のまま駆け寄ると、疾風のごとく現れたダレクには飛び上がって驚いた
「おおう!び、びっくりした、暗闇から黒犬来ると本当にびびる・・・」
心臓の上を手で押さえているにダレクは初めて人の型になって土下座をする
「頼む、ハニーを助けて欲しい。お前の話を蹴っておいて虫がいいと思うかもしれない。埋め合わせは俺がする。俺はブラックハウンドという種族だ。生皮を剥いで売れば金にもなる。頼む俺の命でハニーを助けて欲しい!」
額を地面に擦って土下座している見た目16ほどの全裸の男の子には背中をひっぱたく
バチーン!
「っ!?」
ものすごい音にダレクは背中を仰け反らせて痛がる
「長々話して額を擦ってる場合か!早く連れてけ!」
「お、おう」
なんで叩かれたのか分からないが犬に戻り、が乗れるサイズまで大きくなる
サイズもわりと自由に変えられるのがブラックハウンドだ