第6章 冒険と探険。始まりの村
寝室はダブルベッド1つだった
木のテーブルと大きめのソファー、サイドテーブルのシンプルな部屋
屋根裏のこの部屋には天窓があって月明かりで明るい
「どうぞ、ベッド使って下さい。」
ノエビアは抱えてきた布団をソファーに敷き始めた
「いや、俺がそっちで寝るから」
「アンバーは体が大きいからソファーからはみ出してしまいますよ、僕ならピッタリです」
いやいや、どうぞどうぞのやり取りがしばらく行われ、結局二人でベッドに寝ることになった
「ふふ、誰かと眠るのは久しぶりです。アンバーは体が冷たいですね」
「とかげは変温動物なので。ノエビアありがとう、受け入れてくれて感謝しています。」
お互いに向かい合う
布団の中で少し話をして目を閉じた
ノエビアは静かに今までを振り返る。貧乏な西の街で自信家の黒ウサギに出会ったこと。灰色だった生活を大きな夢物語でワクワクさせてくれたこと。
子供っぽくてなんだか憎めなくて、結婚してほしいと言われたとき嬉しかった。結局いいように扱われてたけど義母さんや義父さんはいい人だった。
体温の低かったアンバーが自分の体温を感じて温かくなってきた。
不思議と安らぐ体温に悪夢を見ることもなく悲観することもなく眠りについた