第6章 冒険と探険。始まりの村
「ありがとう、猫さん」
猫は隣に座り、手をしまった猫特有の箱座りをしている
湖から皮袋へ水を汲み、猫の隣に座り直して大きな林檎のようなものや、桃のようなものを食べる
「ごちそうさまでした、ありがとうね」
世話をしてくれた猫へ感謝のなでなでして、ピンクの所へのお土産にいくつかくだものをハンカチに包み立ち上がる
並んで歩いてくれる猫の肩付近に手をおき、一緒に歩く
「猫さんって名前つけたら怒るかな・・・お利口な猫さん、またここに来たときは一緒にお昼寝したいな。ケットシー。猫の王様だよ」
手を振って洞窟を上がっていく彼女が見えなくなるまで見送り、ケットシーと名付けられた猫は元の大きな鉱石に乗りくつろぐ
「ケットシー・・・君の事が猫に見えるなんてあの子はすごいねぇ、元々の姿は猫だったのだろう?」
床から現れた小学生くらいの男の子がまるで年寄りのような口調で話しかけてくる
ダンジョンに不法侵入してくる輩なんて割りといる。
この大きな猫は見るものによって形を変える
あるものには巨大な百足に見えるだろう。あるものには悪魔に見え、そしてこの番人はそんな奴等を容赦なく喰い殺す
このダンジョンの番人、ホワイトオパールの精霊(ジン)。
嬉しそうに自分を撫でて美味しそうにくだものを頬張っていた可愛いあの子を思い出し、ケットシーは大きなあくびをして眠りについた
ちなみにユグドラシルは虫の結婚式や植物を育てるのに忙しくて気付かずに、の前に表れなかった