第6章 冒険と探険。始まりの村
ある程度雑な階段を降りると大きな光る鉱石の道になっていた。
RPGなどによくあるダンジョン風に感心してしまう
「ドラいる?ドラー!ユグドラシルー!」
大きな声で呼んでも来ないじゃないか!ピンクの嘘つきめ!
明るく広い空間を、垣根や鉱石が道のように区切っていて迷子になりそうだ。帰れるように落ちてる光る石を道に置きながら進んでいるが、モンスターが出るのではと心臓が破裂しそうなほどドキドキしてる。
「大きな昆虫とか出てきたら、ど、どうしよう」
泣きそうだ
拾った木の棒を護身用に握りしめ歩いていると、真っ白な猫が寝ている
元いた世界でいたあの普通の猫だ。大きな鉱石の上で寝ている猫は長毛でメインクーンかペルシャに似ている
ほっとして猫に近づいてみてビックリした。
恐ろしくでかい
ゾウくらいある
気持ち良さそうに寝ているが、この大きさに後退りして、ジャリっと大きな音が出てしまった
猫が目を開き、こちらを見る
のっそり顔を近づけて匂いを嗅がれているのを目を閉じて耐える
このまま食べられるのかと走馬灯がよぎったが匂いを嗅いで満足したように息を吐き、猫はゴロゴロ喉を鳴らし始めた
そろっと手を伸ばして甲を差し出すと目を閉じて顔を出してきた
撫でろと言われてるようでそろっと撫でてみると長毛なので肘くらいまで手が毛に埋もれてしまう
撫でると暖かく猫はお日様の匂いがした
とても気持ちがよく、猫の首に抱きついてからだ全体で撫でてみる
猫が好きな首筋や鼻の上、眉間近くなどを撫でて癒されていると猫がゴロンとお腹を出してきた
嬉しくなり、お腹を撫でて頬擦りして堪能しててハッと我に帰る
「違う違う、ユグドラシル探してたんだ。」
それを見ていた猫はつまらなそうに、ふん、と息を吐きのっそり立ち上がる
歩いていく猫を見ていると尻尾で体を撫でられた
ちらりとこちらを見る姿に着いてこいと言ってるようだ
後を着いていくと、湖のほとりに出た。
青く透き通った湖のほとりにくだものの木もある
それを見て自分がお腹が空いていた事に気付いた
洋なしのような黄色いくだものは知ってる。甘くて水分たっぷりで美味しいのだ
噛みついてちゅーちゅー吸っていると横に大きな猫が口にくわえたたくさんのくだものを置いて食べろと鼻で押す