第5章 この世界の人々と生活
「は、あっ、やめっ、んっ、んん、ふぁっ」
周りが静かにドン引きしている間にも、皇はハイズの腰をホールドしながら巧みに角度を変えて濃厚に口付けを続ける
二匹の犬は心配そうにハイズと変態の周りをくーん、と鳴きながらうろうろしている
「ひぁっ、やらっ、んむっ・・や、やらぁ、ぁっ、っっ!!!」
ハイズが真っ赤になり泣きながら脚をガクガクさせてビックンビックンした
「えげつないな」
そうピンクが小さな声で呟き、どこから出したのかふわふわの羊毛布の出して呆然と座り込んでしまったハイズに優しくかけてあげる
静まり返る寒い空気の中、二匹の犬のくんくん鳴く声とハーイズニーの荒い息を整えながらどんどんすすり泣く声に変わっていく様を見ては皇の膝に折るつもり満々のローキックを食らわせて、毛布の上からそっとハイズを抱き締める
「大丈夫?」
ベリー系の甘酸っぱい匂いのする可愛い子犬をふわりと抱き締めてよしよしする
変態がなぜこんな濃厚なキスをぶちかましたのかは分かっている。
唾液からハイズの情報を読んだのだ。
気持ち悪い才能だが、皇は体液から相手の情報を得たり与えたりできる。
私とこの変態くらいしか知らないであろうそれは、周りから見れば何がなんだか分からない
可哀想にグズグズ泣いている子犬の目尻にキスして泣き止むまで抱き締めて背中をさする
「ごめんねぇ、あいつもやりすぎなんだよね。とりあえず色々二人で話そうか」
軽々と子犬を抱き抱えては自分の部屋へ行ってしまう
それを追って大型犬2匹も行ってしまった
残ったメンバーはパタンと閉まるドアを見つめていた