第3章 救世主・・・?
が目を開けるとそこには鎧を来て2足歩行のライオンと、着流しのような着物風の衣装を来た2足歩行のキリンがいた。
「・・・ん?」
夢か・・・?
割りと寝起きの良い方なは自分が目覚めていることを理解している。でも目の前の2匹は理解出来ない。
被り物かと思ったがそんなレベルじゃない2匹に思わずちゃんと見ようと上体を起こす
ふと、腰に手を置いていた後ろの人を振り返ると急速に理解出来た。
ここが今までいた世界とは別物で、この男は世界樹で、普通に獣人がいる。
なぜそんなことを理解しているのかはこの男、ユグドラシルに中出しとか唾液とか注がれたから。
そして、これは私の口を通してじゃないと説明出来ない。だってこの男に言葉を発する力がないから。
「あー・・これは・・面倒くさい・・・」
一人うんうん頷き、頭を抱えてしまった女性に説明を求めるようにライオンがグルルと唸った
「初めまして、私はジールと申します。こちらで書官という仕事をしているものです。まずあなたのお名前とどこから来たのかお教え願えますか?」
ジールが一歩前に出てきて丁寧に頭を下げる。
しかし相手の女性はこてりと首を傾げた
「え、分かんないんだけど・・なに?」
目の前のキリンがグオーグオー鳴いてるけど、何言ってるか分からない
どうしようかとユグドラシルを見ると後頭部を引き寄せて濃厚にキスをかましてきた。
唾液を注がれ、それを飲み込むと言葉が分かるようにしてくれたのだと理解出来た。
「なぜいきなり口付けをし始めたのかもききたいのですが、とりあえず話聞いてくれます?」
苦笑のように聞こえる少し鼻にかかった声にキリンの方を向き直す
「えー、初めまして。私は違う世界から誘拐された職業OLと申します。ユグドラシルのつがいと言われました。」
ジールは表情を変えずに頭のなかで密かに趣味である薄い本の製作を考えワクワクしていた。