第3章 救世主・・・?
この日、レオンは困惑しっぱなしで頭がパンクしかけていた。
世界樹からより遠い所から溜め池が枯れ始め、今やこの首都付近まで危うかったはずの水が
今、噴水から溢れて豪快に水しぶきをあげながら各村へ運ばれていってる
この調子でいけば数日中には果ての村まで溜め池は満たされるだろうと老官達がおっしゃり、子供から大人まで溢れて上がる水しぶきに朝から騒いでいる
夜の警備員に聞くと明け方から少しずつ水量が増えてきていたらしい。
世界樹の皇になにかがあったのだ、祈りが通じたのだ!と息巻いて早起きで読書家のジールと共に皇の部屋へ行ったら・・・・なんだこれ
そうなのだ。今、皇の部屋でミイラだったはずの皇が何故か若返って30手前の美男子になっていて、全裸。
そして隣には黒髪の女が寝ていて、全裸。
どう見ても事後な様子で寝ている女の髪を撫でながら添い寝している皇に口元に指を立ててしーっとされている
どこから突っ込んでいいのか頭がパンクしそうだ
その日、ジールは眠りの浅いせいで少しずつ大きくなる水音に敏感に目を覚ました
チョロチョロと世界樹から出ていた水は水路を通り、なんとか果ての村まで届けていた。
それがチョロチョロよりすこし大きな音がしている。確実に水が増えている。
長い睫毛をバサバサ動かし数回瞬きをすると、ゆっくりベッドから起き上がり、部屋のロウソクを灯す。反応したヒカリゴケが連鎖的に部屋を明るくしてくれて、ジールは壁一面の文献からこの現象について調べ始めた
豪快な足音に文献を閉じると同時にノックもしないでレオンがドアを開ける
そして今、ジールは凄い速さで脳を動かして過去に読んだ文献を思い出している
見た限り皇が若返っているのは確実。しかし、文献でも60前後の風貌と書かれていた。どの時代もこんなに若い皇の話は書いてない
隣にいる女性。髪は真っ黒でボブくらい、こちらに背を向けて寝ているが上掛けを掛けていないのでどちらも全裸と分かる。
さて。顔を見ないとなんとも言えないが、尻尾が無いのと手足の形状から見て獣種ではないようだ。
皇と同じ人間か
しかしどこから来たのか
レオンとジールがそれぞれ考え、皇が女性の髪を撫でながらこめかみにキスしたところで、もぞもぞと女性が寝返りを打った