第7章 頂上戦争
「……おれが死ぬ事……それが何を意味するか……おれァ知ってる!……だったらおめェ……息子達の明るい未来を見届けねェとなァ、エース」
「未来が見たけりゃ今すぐに見せてやるぞ白ひげ!……やれ!!!」
センゴクのかけ声でエースに白刃が振り落とされる。
「「エース!」」
マルコとリラの声が重なる。白ひげはもう止める力もない。そこへ──
「やめろォ~~!!!」
ルフィが叫ぶ。その絶叫と共に広場に衝撃が走った。
エースに向けて振り下ろされる所だった刃は、その持ち主ごと床に伏し、広場の者たちもバタバタと倒れていく。
リラも倒れはしなかったものの、ビリビリとした“何か”を感じていた。
「これは……」
「覇王色の覇気……か」
同じく倒れなかったスズシロが目を眇めた。リラは驚いてルフィを見る。
ふ、と笑みがこぼれた。
「さすがエースの弟だわ」
「感心してる場合か。とにかくやるぞ」
「はぁーい」
くすくすと笑いながらリラは海賊達を倒していった。
「気の弱い者は下がれ!ただのルーキーだと思うな!革命家ドラゴンの息子だ……当然といえば当然の資質……!奴をこの戦いから逃がすなよ!逃がせばいずれ必ず強大な敵となる!」
センゴクが冷静に命令を下す。そこへ白ひげが叫んだ。
「麦わらのルフィを全力で援護しろォ!!」
ルフィの元に白ひげ海賊団の精鋭が集う。
「急げ!エースの弟!今海軍の戦力はオヤジに向いてる!この機を逃すと大将は超えられない!一点突破だ!おれ達と来い!!」
「行かせるわけないでしょ!?」
リラがルフィめがけて走る。そして右手を彼に触れさせた。
「ぎゃあっ!凍った!?」
「チッ……雪女か!」
「気持ちはわかるけど、エースは渡せないわ」
不敵に笑うと、マルコが前に出てきた。
「エースの弟、行け!おれが食い止めるよい!」
「悪い、任せた!」
「待てっ!」
「お前の相手はおれだよい、雪女」
リラは盛大に舌打ちした。スズシロがルフィを止めようとするが、またもや白ひげ海賊団に邪魔される。
「あーもうっ!」
「おい、雪女……さっき『気持ちはわかるけど』って言ってたな?」
「だから何?」
「お前……海兵じゃなければエースを助けたのかよい?」
「さあね?」
リラはしらばっくれた。